現在メインで使っているマイクロフォーサーズからフルサイズへの移行を考えている。同じことを考えているストックフォトグラファーのために少し整理してみる。
フルサイズへの移行は、趣味としてではなくあくまでストックフォトをビジネスとしてとらえる。趣味なら好きなだけ金使えばいいからね。考えるまでもない。「やけっぱち消費」はご老人達に任せておこう。
なので命題は
マイクロフォーサーズからフルサイズへ移行して、投資がペイできるか?
ということになる。
定量的に分析するために条件を少し設定する。
移行前のシステムはオリンパスPEN E-PM2+パナソニック12-35F2.8、1600万画素。
移行後のシステムはニコンD750+タムロン24-70F2.8、2400万画素。
まずはマイクロフォーサーズに対するフルサイズのアドバンテージの整理
1.高感度画質大幅アップ・・・932ISO→2956ISO(DXOMARK)
2.ダイナミックレンジ域拡大・・・12.2Evs→14.5Evs(DXOMARK)
3.画素数アップ・・・1600万画素→2400万画素
4.AF性能若干アップ・・・
DXOMARKの測定値から高感度は大幅アップ、6段分の改善?というのだろうか。ダイナミックレンジも良くなるが、どの程度かを判断する指標が良く分からないので取りあえずこれはとばそう。カタログにも数値が書いてあるので画素数アップは定量的に分かりやすい。AF方式の違いから動体のAF性能は向上するでしょう多分、一般的に。
フルサイズに移行するとこれらの機能的、性能的な恩恵が受けられるということ。
これがどの程度ストックフォトの売上増加に寄与するのか?
これを考えるのが重要。
性能が良いものは高価。そんなの常識。でも費用対効果が大きいのか小さいのか?ビジネスはここをしっかり考える。
1.高感度が大幅にアップすると
歴史的建造物内部など屋内では基本三脚禁止、フラッシュ禁止。通常はISOを上げることでシャッタースピードを稼いで撮影する。しかしISOを上げすぎるとノイズが多く発生し、ストックフォトの審査で落とされる。
D750であればISO3200程度まで使用できそうなので、より多くの屋内写真が審査に通り登録枚数を増加させることができることになる。多分屋内写真は今の5割増しのペースで登録数が増やせそうだ。ライティングができるスタジオ撮影を除いた屋内の素材は全体の4割ほど、40%*50%=20%程度登録数を増やせる計算になる。
2.ダイナミックレンジが拡大すると
白飛びは減ると思うが、審査通過率にはあまり影響がないだろう。階調表現も豊かになるだろうが、それで売上が増えるほどストックフォトは甘くない。
3.画素数がアップすると
ストックフォト各社では写真の最低サイズが決められていて、クロップしすぎると審査に通らない。画素数アップでクロップ耐性が上がり、意図しないで隅に映り込んだ人物など消しやすくなるだろう。売り物になる写真が若干増えるということ。あと望遠が足らない時も助かるかな。そう考えると5%程は登録数のペースを上げられそうかな。
リサイズ耐性も上がるね。画素数が50%アップだからサイズで考えると20%ちょっとかな。単純に軽い手振れ写真の20%程度は救えるのかも。でも普通、大事なカットは保険を掛けて複数枚撮ってるから、手振れでボツになる写真は多く見積もっても10%ない。リサイズで救えるのは20%*10%の2%程度かな。大した数字じゃない。
あと販売する写真の最大サイズが大きくなるね。これも売上増加要因になるとは思うが、どの程度増加するかは分析用のデータもないので不明だな。
高感度アップで20%、画素数アップで7%、トータル27%登録のペースを上げられる。
なんか大したことないな。
ケチ臭い数字になったので今夜はこれくらいにしておく。
続きはまた次回。